ニュースの大問題

池上彰著、『ニュースの大問題』を読んで〜

 

 

ニュースの大問題! ―スクープ、飛ばし、誤報の構造

ニュースの大問題! ―スクープ、飛ばし、誤報の構造

 

 

 

 

 

新聞業界の仕組み〜経営権と編集権


新聞社は、編集する権利である「編集権」と経営する権利である「経営権」が独立している。それなのにも関わらず、経営が編集に介入したのが、朝日新聞への池上彰氏のコラム掲載中止問題。

記者が同氏のコラムを掲載しようとしていたところ、経営側から待ったがかかった。よって、世間では、朝日のコラム掲載中止が焦点になっていたが、本当に問題なのは、経営権を持つ経営側が編集権を持つ記者が掲載しようとしていた記事に介入した、とういうこと。

 

社長は掲載には介入せず、利益の追求のみ考える。記事への最終責任や権限は、各部署のトップにある。

 

 

 

 

 

新聞社へのよくある批判

「〜新聞は中立じゃない!」「〜新聞は右寄りだ!!」

とおっしゃる方も中にはおられるが、新聞各社は民営であるため、右寄りでも左寄りでも何ら問題ない。新聞を読む時は、その記事に書いてある事柄を鵜呑みにするのではなく、各社がどういう立場なのか念頭に置いて、自分の頭で考えながら読むことが重要。しかし、放送に関しては、放送法で「中立じゃないといけない」と一応謳っている。

 

 

 

 

 

記者の使命

記者には、情報源秘匿の原則がある。例え、警察にある事柄についての情報を求められても、それで罪に問われても情報を秘匿し続ける。何故そこまでするのか?というと、一度でも情報を漏らしてしまえば、「あの新聞社は信用ならないからあそこからは取材を受けない。」と思われてしまうから。実際にアメリカでは、情報秘匿の原則を守り続け、投獄された記者もいるみたい。

 

 

 

 


「あの新聞社は朝鮮人に支配されている!」といった根拠のない批判に関して

昔、在日韓国・朝鮮の方々を新聞社は一切雇用してなかった。それじゃあ、人権問題になるため、雇うようになり、そこで雇われた方々の地位が上がってきたので、新聞社に在日韓国人朝鮮人の方々が多く見えるだけ。そもそも、メディアは、株で支配されないような仕組みになっている。

 

 

 

 


総括

ネットでニュース情報を得ている人の大半が「ニュースを読んでる」ではなく、「ニュースを見ている」と表現する、と本書で述べられているところは特に印象的だった。私もネットを中心にニュースなどの情報を得ているが、その際は、「ニュースを見ている」だけの状態に陥らないよう注意していきたい。